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愛しては、ならない
第56章 二十歳の同窓会
今日は湿気を含んだ空気が肌にまとわりつく様な暑い日で、こうして外に居ても無駄に汗をかくだけだ。
とりあえず何処か涼しい場所で時間を潰そうと踵をかえそうとした時、店の自動ドアが開き、紺色の制服姿の女性の店員がじょうろを手に出てきた。
店の前を彩る花壇の花たちにに水をやりながら鼻唄を歌っていたが、俺が見ているのに気がついて恥ずかしそうに口をつぐむ。
瞬間、彼女と俺の視線がぶつかり合って、二人は驚きの声を同時にあげた。
彼女は愛くるしい瞳を大きく見開いて、花弁の様な唇を震わせる。
「剛くん……」
「清崎……!」