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愛しては、ならない
第56章 二十歳の同窓会

清崎は、まるで空白の四年間が無かったかの様な自然な笑顔を向け、俺を手招きする。
「剛君……同窓会に来たんでしょ?中へ入って?」
「いや……でも」
戸惑う俺の手を取り、清崎は中へと入っていく。
外から見るよりも店のはずっと広々としていて、丸いテーブルの上には既にグラスや食器が綺麗に並べられていた。
「森本君と友佳はもうすぐ来るはずだけど……」
清崎はきっちりと纏めた髪と紺の詰め襟に大きなボタンの上着に膝丈のスカートの店の制服がよく似合っていた。
四年前と較べると、頬の辺りが少しふっくらしたのかも知れない。
あの頃彼女を纏っていた儚げな雰囲気は消えていていたが、生き生きと働き充実しているのが窺えた。

