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愛しては、ならない
第57章 二十歳の同窓会②
「森本……っ!お前にも聞きたい……お前は……菊野さんと愛し合ったのか!
……今でも……まさか付き合っているのか?なのに……清崎と結婚するのか?
一体……どうなっているんだ!」
「……やれやれ」
森本は清崎と顔を見合せ肩を竦めると、俺に向かってタオルを投げた。
俺は地面に落ちる寸前で受け止め、彼らを見ると、清崎が静かに言った。
「剛君……私ね、私も頑張ったの。あの頃私も……家が一番ゴタゴタしてて……あんな家に帰りたくない……早く……好きな人と結婚して家を出たいって思ってたけど……私の気持ちを隠さずに、パパとママに言ったの。
どうか、前と元通りになってって……小さな子供が駄々をこねるみたいにね。
結局、それは無理だったけど……あの時、自分がとった行動に後悔はしていないわ」
彼女の肩を森本が抱くと、彼女はこぼれるような笑顔になる。
「……でももういいの、剛君にはフラれたし、パパとママは別れちゃったけど……
私には……彰がいる」
「清崎……?」
彼女は、俺を真っ直ぐに見てキッパリ言った。
「剛君も……後悔があるなら……思いきりぶっちゃけてきなよ!
そんな風にゴチャゴチャしてるなら、その思いをぶつけてきたらいいじゃない」