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愛しては、ならない
第58章 再会
私を愛してくれる悟志に素直に向き合って、日に日に眩しい程に成長する祐樹の事に時間を費やして、日常の雑事に追われて居るうちに、剛への恋情を忘れていく物だと思っていた。
実際、彼の事で泣く事も少なくなってきた筈なのに。
「あれ……でも……この間森本君からの電話で……私また泣いちゃったか……う――ん……」
私は出来上がったケーキを冷蔵庫にしまい、持ってきたターコイズブルーのバースデーカードを出してテーブルの上に置いてペンを持ち暫し考え込んだ。
折角の誕生日ケーキなのだから、メッセージ位はあった方が良いだろうと思ったが、こんな小さな――子どもの掌にもすっぽりと納まってしまいそうに小さなカードに書ききれない程の思いが溢れてしまいそうだった。