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愛しては、ならない
第60章 静まらぬ嵐、吹き荒ぶ恋
「……っ」
彼から顔を逸らすと、低い涼やかな笑い声と共に顎を掴まれて上を向かせられた。
「菊野さん……こっちを向いて」
「や……やだっ」
私は、顎を持たれながらも首を横に向けようとする。
彼を真正面からずっと見ていたら、私はおかしくなってしまう。また恋に狂って堕ちてしまうから――
だが彼は両手を頬に添えて、額をくっ付けて至近距離から私の目を見据えてきた。
「菊野……俺を見て」
「――っ」
私が抵抗して瞼を閉じると、直ぐ様唇が重なって来る。
「ん……ん……んんっ」
唇を抉じ開けられ舌で咥内を蹂躙されて、唇から彼の熱い息と共に媚薬が流し込まれた様に私の身体中が燃える。