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愛しては、ならない
第62章 愛しては、ならない②
「……まだ暗いです」
剛が腕に力を込めて、私を拘束する。
力と、切ない恋情で私を縛ろうとする――嬉しくなってしまう愚かな自分の心を無理矢理抑え付け、私は彼の顔を見ないように瞼を閉じた。
「もう雨も止んだし……今から歩けば始発の電車に丁度いいから……」
「こんなに暗いのに、危ないです」
「大丈夫」
腕を振りほどこうとするが、更にきつく抱き締められて息苦しい。
私は声を振り絞り、言った。
「本当に、大丈夫だから、離して……」