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愛しては、ならない
第62章 愛しては、ならない②
「なんて顔をしてるんです……」
剛は、眉を歪ませると、私を再び抱き締める。
抱き締めると言うよりは、しがみつくと言った方が正しいのかも知れない。
「菊野……そんな悲しい顔をしないでくれ……」
胸に顔を埋めて震える声で呟かれ、甘い刺激で声を出してしまいそうになり私は歯を食い縛り堪えた。
すると彼は私を軽々と抱き上げて、ベッドへと引きずり込む。
「……つ……剛さ……っ」
「行かないで……行くな……菊野」
「……っ」
「今夜は帰さないって……言ったじゃないか――」
「剛さん……っ」
彼は、私の乳房に鼻先を埋めたままで苦しげに呻いた。