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愛しては、ならない
第62章 愛しては、ならない②
彼の指が悩ましい動きで乳房を撫で始め、甘く切ない刺激が足元から脳天まで駆け抜ける。
――いけない、これではまた彼に責められて、何がなんだかわからなくなってしまう――
そんな危機感で、私は彼の腕から抜け出そうと足を踏ん張り上半身を捩るが、彼に口付けられた途端に身体中の力が抜けていった。
烈しい口付けではない。彼は優しくなぞるように上唇を包み込み、下唇を軽く噛むように味わいながら首筋を撫で上げる。
舌がノックするように唇をつつき、少しずつ中へと割り入って来た。
その静かで優しい動きは、烈しく中を掻き回されるよりも私の胸も身体も乱し、涙が頬を伝って、重なる二人の唇を濡らす。
別れを覚悟しての涙は塩辛かった。
剛は涙を掬い取るように舌を頬に這わせ、私の目を見詰め、言った。
「俺と……一緒に何処かへ逃げましょう」