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愛しては、ならない
第62章 愛しては、ならない②
「もう……我慢出来なっ――」
「――っ‼」
彼は私の目の前で顔を歪ませ、腰を最奥まで沈ませると同時に痙攣し、私の胸に顔を埋めながら果てた。
果てる瞬間の彼の瞳の色や唇の形に見惚れながら私はまた泣いていた。
彼は指で私の涙を拭いながらキスをする。
優しく触れるキスは羽毛の様にこそばゆくて――
嬉しくて、悲しくて、涙と共に嗚咽が喉の奥から溢れた。
「……っ……今度……会うのは……っ……」
「――菊野……」
唇のわななきが止まらないまま、私は懸命に言葉を繋げる。
「つ、剛さん……に……大切な……ひ……ひとが……っ……‼……う……っ……
で……できたら……わ……私に……紹介、し、てね……」
「――――――」
剛の瞳が烈しく揺れて、色を変えた。