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愛しては、ならない
第62章 愛しては、ならない②
大きく開かれたドアの先に立つ人物に、私は驚愕して硬直する。
「……さ……悟志さん……」
悟志は珍しく髪を乱していた。いつも身嗜みには細心の注意を払う彼なのに、彼の格好はとても乱れていた。
折角のグレーのお洒落なスーツは袖がめくれ上がり、ネクタイは曲がってしまった上に一周回って反対側に垂れている。
シャツは胸元までボタンが外れてしまい、靴下も片方しかなかった。
悟志は息を切らし、ずかずかとベッドの側へ歩み寄って来ると、私を毛布ごと抱き上げた。