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愛しては、ならない
第62章 愛しては、ならない②
私は悟志の腕の中から抜け出そうとするが、毛布が捲れて裸の胸元が晒されると、思わず手で毛布を胸の前で合わせて隠した。
悟志は私を一瞬鋭い目で見るが、思いもかけず優しい笑いを浮かべて言った。
「そのままじゃ寒いだろう……?車に着替えがあるからね」
まるでいつもと同じ日常の会話のように言う彼に絶句する私を抱いて悟志は廊下を進むが、玄関で剛が踞って居るのを見て、私は叫んでしまう。
「――剛さんっ……」
「大丈夫……気を失ってるだけだよ」
「剛さん――‼」
悟志は、倒れている剛に向かって腕を突き出す私に構わずにドアを閉め、玄関につけてある車の後部席に私を乗せると素早く自分も運転席に乗り込む。