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愛しては、ならない
第62章 愛しては、ならない②
「酷い、酷い……っ」
気がつけば私の口からは譫言のような呟きが漏れていた。
「剛さんに乱暴するなんて……っ……酷い……っ……もし何かあったら……私……っ」
それは紛れもなく、悟志に対する恨み言だった。
彼を責めるのはおかど違いな事は私だってわかっている。けれど、口をついた言葉は溢れだしたら止めようがなかった。
「馬鹿……っ……悟志さんの、馬鹿あ……っ」
「……」
悟志は今どんな表情をしているのか、毛布を被ったままの私には窺うことが出来ない。
罵られても、殺されても仕方がないと思った。
それだけの事を私はしたのだ――