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愛しては、ならない
第63章 once again
一体ここは何処なのか。
私は頭をフル回転させようとするが、起き抜けでのこの頭は全くの役立たずだ。
意思とは反対に手も指先もノロノロとしか動かせないし、今自分がどうするべきなのか何も思い付かない。
昨日から今まで起こった出来事が夢なのかどうか考えたが、あまりにも目まぐるしく色んな事が起こって、整理が出来ない。
だが、剛の別れ際の悲しい目の色が脳裏に蘇り、背筋がゾクリ、と震える。
あれは夢じゃない。
私は剛と何度も抱き合って……
そして悟志が――
私は、自分がいつの間にか服を着ている事に気付き、思わず立ち上がる。
膝よりも少し丈の短い、裾に可愛いフリルに付いた白のワンピースだった。
下着も身に付けていて、しかも新品で、これも白のレースの可愛いデザインだ。