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愛しては、ならない
第63章 once again
一体いつの話を悟志はしているのだろうか?
確かに、悟志に結婚指輪は貰ったけれど、婚約指輪のようなニュアンスのリングは貰ったことがない。
私の疑問が顔に出ていたのだろう。悟志は頬を紅くしてモゴモゴ言う。
「君の実家のクリスマス会に呼ばれて僕も行っただろ……?で……僕が貴文さんに君とキスさせてくれって頼み込んで……」
「あ……」
そう言えばそんな事があった。
謎の紙人形を作らされて、それを鼻息で何体倒せるか、という対決を悟志と貴文が繰り広げたあのクリスマスの夜。
悟志が勝利したが、私が怖がって泣いて、彼に唇を許す事はなかった。
悟志もそんな私に無理強いする事もなく――