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愛しては、ならない
第63章 once again


「うん、うん、そうだよ‼なんていい考えなんだ‼」



両手を前に突き出してガッツポーズを決めドヤ顔で頷く悟志に、私は半分呆れていた。

悟志はそう言うけれど、私は結婚生活をしながら彼を裏切ったのだ。

それを過去の話にすり変えるなどあまりにも都合がよすぎではないのか――

そんな事を考えていたら、いつの間に悟志が目の前で私の顎に手をかけて上を向かせて凛々しい目で見詰めていた。

そして素早く唇を奪われた。

それは、彼が私に今までした中で一番素敵なキスだった。

情熱的で、ロマンチックで、自分の中のすべての悩みや葛藤が吹っ飛んでしまうような――何故だろう?

ここが教会だからなのだろうか?私は雰囲気に呑まれてしまっているのだろうか?
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