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愛しては、ならない
第63章 once again
甘くて、それでいて烈しく身体の奥を揺さぶる口付けに目眩を起こし、足元が覚束ない。
悟志はそんな私の反応に満足げに笑って、唇を離すと「よしっ」と気合いを入れるように叫び、片腕を曲げて私に掴まるように促した。
私はつい、その腕を取ってしまうが、悟志の一言にいよいよ慌ててしまう。
「さあ、結婚式を始めるよ?まずはバージンロードを歩く――‼レッツゴー‼」
「ま、待って待って待って‼」
「待ってじゃないよ‼待ってるのは向こうに居る花婿だからね……
あ……今日は僕が一人何役もやるから。本当なら父親の貴文さんとか、神父さんとかブライドメイドとかが欲しいところだけど……
色々と都合がつかなくてね。みんなの都合が合うのを待ってたらどんどん先になっちゃうから……僕が全部の役をすることにしたんだ」
「え……ええ?」
「そう、だから、今は僕は菊野のパパ役……のつもり」
悟志はウインクして、私と共に教会の扉を目指してゆっくり歩を進める。