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愛しては、ならない
第63章 once again
「――悟志さん……」
私の目から、いつの間にか涙が溢れていて、悟志は指で拭って静かに笑う。
「どんな事にも必ず終わりが来るんだよ、菊野。
そう……僕と君の命だって……いつかは尽きる」
「……っ」
「だから……その時まで……愛させて欲しい……」
悟志は、ヴェールを持ち上げ、屈んで笑う。
私は彼の顎に半端にくっついている髭を取ってあげた。
「もう……悟志さんったらこんな大事な場面で――」
付け髭を手に彼を咎めようと顔を上げた時、悟志の唇が重なり、鐘が鳴り出した――