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愛しては、ならない
第64章 エピローグ
「やっり――‼晴れてきた、晴れてきた――‼」
「てか、やっぱりBEATSって嵐を呼ぶBEATSだよな――‼」
「いや、いくらなんでも嵐はまずいよ――‼」
祐樹と亮介、三広は三人で言い合いながら仲良く肩を組んでテントから出ていってしまった。
「おい……お前ら……客席に行ったら騒ぎに――」
止めようと声をかけるが、すでに彼らの姿はなく、俺はやれやれと肩を竦める。
デビューしてから、いや、その前から俺はこいつらのお守りで毎日明け暮れている――と言っても過言ではなかった。
クレッシェンドはデビュー後、順調に売れ続けているので、マネージャーの俺がやるべき仕事は山の様にある。
だが、そのお陰で――余計な事を考えたり、思い出したりせずに済んでいる。
俺は立ち上がり、テントの外に出て、真っ黒い雲が切れて陽射しが放射線状に降り注ぐのを眺めていたが、覚えのあるメロデイーが流れてきて、ステージの方を見た。