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愛しては、ならない
第9章 遊園地での賭け④
悟志は顔を上げ、私の手を握り締める。
「あんなに……怖がりな君が……
お化け屋敷なんてっ……無茶をして……
喘息の発作で呼吸困難になるところだったんだよ?
君にもしもの事があったら……祐樹はどうなるんだ!」
「……本当に、ごめんなさ……あっ」
また、強い力で抱き締められて、私はそれ以上喋れなくなる。
「菊野……っ菊野……
君を……どんなに僕が大事に思っているのか……
分かっているのか……!」
頬を両手で挟み、悟志の方を向かせられ、私は彼を見つめるしかない。