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愛しては、ならない
第3章 ガール・ミーツ・ボーイ
結婚してすぐに妊娠したけれど、ふたごでは無くて大いに落胆してしまった。
しかも悪阻が酷く、食べては吐いての繰り返し。
待ち望んでいた赤ちゃんはふたごでも無いし、何故こんな辛い思いをしなくてはならないのかと毎日泣いていた。
入院を薦められたが一人で病院のベッドに縛り付けられるなんて嫌、と駄々をこねて、その我が儘を通してしまった。
お腹が目立って来ると嘘のように悪阻は治まったのだがお産が近付くにつれ、心の中は恐怖で一杯になっていった。
自分の体の中から一人の人間が出てくる。
一体、どの位の痛みなのだろう。
狭い道を通ってくる間に赤ちゃんの体が傷ついたりしないの?
妊娠中に、病院のプレママスクールでお産までの心構えと準備の話しを看護婦さんから聞いても、不安は増すばかりだった。
私などに産めるのだろうか、とさえ思った。