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愛しては、ならない
第10章 カーネーション
遊園地での失敗に落ち込んでいた私は、今度こそ彼に、
"金輪際関わらないで下さい"
位の言葉を言われるのでは無いか、と覚悟して施設にお詫びに来たのだが、今、起きている事が直ぐには理解出来なくて、暫し口を開いたまま彼を見つめていた。
頭を上げた剛は、私を見て困った様に瞳を揺らした。
横に居た園長が、私の肩を叩いて優しく言い聞かせる。
「西本さん、剛君は、あなたのお家へ行きます、と言っているんですよ?
……ようやく、思いが通じましたね」
「え……え……」
私は、ふらついて脚に力が入らなくなり、その場に崩れてしまう。
「西本さん!」
園長が手を差しのべるよりも早く、剛が私の身体を抱き留めていた。