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愛しては、ならない
第3章 ガール・ミーツ・ボーイ
悟志がそっと頭を撫でると、また祐樹は静かな寝息を立て始めた。
私は悟志から背を向けてしゃくりあげた。
何が悲しくて何を怒っているのか自分にもわからなかった。
「祐樹を起こすと可哀想だ……向こうの寝室へ行こう」
涙を手の甲で拭う私の肩を抱いて、悟志が耳元で囁いてきてゾクリとした。
それは甘い震えでは無い。
年に数回しか身体を合わせない私は、悟志の事をいつしか男性というよりは父親の様に思ってしまっていた。
実際、パパと悟志はそんなに年齢が違わない。
年の離れた、優しくて甘やかしてくれる父親みたいな夫。
その悟志が、身体を欲しがっているのを察して私は嫌悪と恐怖を覚えて逃げようと身を捩った。