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愛しては、ならない
第11章 蒼い覚醒
菊野も、あんな風に乱れ叫び、獣のように男を求めるのだろうか?
毎日の様に、甘いケーキやクッキーを焼いては剛に
「ねえ、甘すぎない?
くどくない……?
こういうの、剛さんは好き?」
と、真剣な眼差しで尋ねる菊野に剛は静かな笑顔を向けながら、密かに頭の中で彼女のそんな姿を思い描いた。
――見てみたい……が、やはり、見たくない――
という矛盾した感情が同時に湧く。
穢れのない、聖女の様な彼女でいて欲しいという想いと、乱れた彼女を見てみたいという欲望がせめぎ合う。
いつからこんな事を思うようになってしまったのだろうか。
剛はそんな邪心に溺れそうになりながら、時にはそんな自分を恥じた。