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愛しては、ならない
第11章 蒼い覚醒
そして、この間――
同じクラスの清崎が訪ねてきた日だ。
菊野が家の中で叫んでいて、様子が気になりながらも彼女と話し、彼女が帰るのを見届けてからドアを開けたら、悟志に抱き締められて身体を預けている菊野。
その光景が目に飛び込んで来た時に、自分の中に説明しようの無い、激流の様な感情が押し寄せた。
何故なのか自分にも分からない。
菊野を見ていると、気持ちが凪いで心静かで居られる。
だが、ふとそんな彼女を滅茶苦茶に乱したくなる衝動に駆られる事があるのだ。
滅茶苦茶に乱す――
いつもの、少女の様なあどけない菊野でなく、別の顔の菊野を見たくなる。
剛は、それがとんでもなく邪悪な欲望だと自分で分かっていた。
幼い頃に、自分の両親が目の前で獣のように身体をぶつけ合って吠えていた光景が未だに目に、耳に焼き付いて居るが、剛はある時に、菊野をその光景に当て嵌めて想像してしまったのだ。