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愛しては、ならない
第12章 その花は、手折(たお)られて




彼の腕に包まれ眠る菊野を思い浮かべても、彼に突き上げられ啼く菊野を妄想しても、胸の中をかきむしりたい不可解な衝動が込み上げる。



「くっ……はっ……っ」



更に速度を早め、手を動かし獣に快感を与えながら、剛は目を潤ませていた。



昼間、偶然彼女と唇を合わせたあの時に、そのまま抱き締めて奪ってしまえば良かったのだろうか――



だが、あの時には、自分の中の熱情を、ここまで自覚していなかった。



彼女の、あの衝撃を受けて大きく見開いた目や、身体から伝わる震えに、悪戯にこれ以上触れたらいけない、と思ったのだ。



自分に同情し、この家に暖かく迎えてくれた菊野。


剛にとって菊野は、春の日溜まりの様でもあり、荒れ野原の中に咲くたただ一輪の花でもあった。


日溜まりは、感じる事は出来てもこの手に触れる事は叶わず、一輪の花は手折れば枯れてしまう。


菊野は、そんな存在だった。

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