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愛しては、ならない
第13章 甘い、地獄の日々
祐樹は目を泳がせ記憶を辿り、サラダをつつきながらしみじみ呟いた。
「僕って、たまたま、ママがつまづいたり転んだりする処に遭遇するだけなのかなあ~?それともやっぱり、ママがよく転ぶのかな?……どっちにしても気を付けるんだよ~?あれだけ転んで、よく怪我しないよね」
祐樹の言葉がグサグサ突き刺さり、私は軽くダメージを受けるが、本当の事だから反論も否定も出来ない。
「う、うん……そうね……昨日もママ、転んで剛さんに助けてもらっ……」
昨日の、剛との出来事が蘇り、頬がサッと熱くなった。
――そうだ、結局昨夜は彼と顔を合わせないままだったのだ。彼にどんな風に接したら良いのだろうか……
祐樹は首を傾げ、私の顔を覗き込んだ。
「顔が赤いよ?」
「えっ……!」
頬を隠すと、祐樹は額に手を当ててくる。
「ママ、まだ具合良くないんじゃない?寝てた方がいいよ?」
「う……うん、ありがとうね……用事が終わったらお昼寝しようかな」
私は誤魔化す様に答える。