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愛しては、ならない
第13章 甘い、地獄の日々
悟志は、ポケットに忍ばせた、昨夜寝室の前に落ちていた箱に手を触れながら考える。
カードを見る限り、これは剛が、菊野に贈るつもりの品物だろう。
僅かに開いていたドア――
まさか、昨夜の行為を、彼は見ていたのだろうか?
一体、いつから、何処まで?
悟志は、剛に初めて会った日に思いを馳せた。
あの頃は、祐樹はまだ幼稚園で、剛は11歳だった。
四人で遊園地に行く約束をしていたのを、敢えて仕事だと嘘を付いて、真歩に付き添って貰い、剛がどんな子供なのか、見に行ったあの日。
何故そんな事をしたのか、自分でも分からなかった。
いや、やはり自分は彼に嫉妬していたのだろう。
菊野は、突然養子を迎えたいと言い出したあの日から、変わった。
最初彼女がその話を出した時には、ただ単に二人目が欲しいのだろうと思い、その流れで彼女を強引に烈しく抱いた。
結婚してから、彼女にはなるべく優しく、がっつかずに接していたのだが、もう、我慢の限界だったのだ。
嫌われるかも知れない、と思ったが、それよりも欲の方が勝ってしまった。