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愛しては、ならない
第13章 甘い、地獄の日々
あの夜、菊野は淫らに艶やかに腕の中で喘ぎ、悟志は夢中で朝まで彼女を責めたてた。
あの夜を境に、自分と菊野の関係も変わった様な気がする。
菊野が、時折怯えた目でこちらを見る事がある。
怯えと、嫌悪の混じった様な複雑な眼差しで。
だが、それはほんの一瞬で、口付けて、身体に愛撫を始めれば途端に彼女は熱を持ち熟れて、悟志に応じた。
だから、違和感を覚えつつも、特に不審にも不満にも思わなかったのだが――
菊野は剛の話をする時には、今までに見たことのない表情をするのだ。
まるで、少女が初恋を語るかの様な夢見る瞳に、色付く頬に、上擦る声。
相手はほんの子供だ――
そう思ってはいたが、彼もじきに成長する。
少年から青年に変化する際の何とも言えない、蒼い果実が弾ける様な怪しさと美しさに魅了される大人の女は幾らでもいる。
それに、自分と菊野の年齢差を考えれば、剛と菊野も恋人同士になっても何ら不思議ではないのだ。