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愛しては、ならない
第13章 甘い、地獄の日々
剛は唖然とし、佇んでいた。
(――ひょっとして、俺の下心が伝わったのだろうか……それで怖がらせた?)
溜め息を吐いた時、菊野がタオルを手に必死の形相でバタバタ走って戻って来て、剛のシャツを掴むとゴシゴシ拭き始めた。
「――?き、菊野さん?」
「ごめんなさい――!私……剛さんの制服を……涙と……はっ……洟でデロデロに――!」
涙目になりながら詫びる彼女に、剛は思わず吹き出すと、その小さな手を掴んだ。
菊野は目を丸くして剛を見詰めた。
「――気にしないで下さい。洗えばいい事ですから……なんなら、もっと胸で泣いても構いませんよ」