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愛しては、ならない
第13章 甘い、地獄の日々



「……今日は、僕が家の事をやります。祐樹の宿題を見たり、学校の支度とか……食事も僕が適当に作りますから、菊野さんは休んでいて下さい」



剛は、邪な欲を必死で抑えながら言った。


「えっ!つ、剛さん、お料理出来るの?」


「そんなビックリした顔しなくても……施設に居た時にも、お手伝いをしてましたし、ここでも菊野さんが料理を作る処を見てましたから、やり方は分かってますよ。調味料とか、食器とか鍋や包丁の場所も知ってますから」



私は、呆気に取られ馬鹿みたいに口を開けて彼を見詰めた。



剛はそんな私に苦笑すると、隣に腰掛け、首を傾げ訊ねた。



「昼は適当にやりますけど、今夜は……どうします?」



その言葉が、何故か甘い囁きに感じて、私はまた赤くなった。


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