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愛しては、ならない
第13章 甘い、地獄の日々
「……やっぱり赤い」
剛は、指先で私の頬に触れ、見詰める。
触れられたりしたら、見詰められたら、益々熱く赤くなるのだが、彼はそんな事は知らないのだ。
痛い程高鳴る気持ちをもて余しながら私はワザと明るい声を出した。
「う……う~ん、そうね、疲れが出ちゃったのかな?今夜、ご馳走作ってくれたら元気になるかも!
な~んて」
「いいですよ……頑張ります」
また、サラリと答える剛に私は絶句するが、彼の指がまだ頬に触れて居るので、落ち着かない。
彼の顔と、自分の手元を交互に視線をさ迷わせながら、気まずさと恥ずかしさを誤魔化す為に、ふと思い付いた事を言ってみる。
「ついでに、お掃除も頼んでいいかしら?……その代わり、お手伝いのお礼のお小遣い弾んじゃうから!」