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愛しては、ならない
第13章 甘い、地獄の日々
「剛さ……っ……う、嬉しい……ありがとう……」
胸が一杯で、震えてしまう。
大好きなお店の、香りも容器も可愛くて人気のハンドクリーム。
何故、これを欲しがっている事を剛は知っているのだろう。
そんな疑問が顔に出ていたのだろうか。
剛は、私の頬を指で撫でていたが、手を握り締めた。
ドキン、とまた大きく鼓動を感じる。
「真歩さんに教えて貰いました……菊野さんに喜んで欲しかったから」
「――っ」
両の手を握られ、近くで見詰められ、プレゼントを渡されて、甘い言葉を言われるなんて、まるで恋人のようではないか。
私は、嬉しさと恥ずかしさを隠す事が出来ず、握られたままの腕をブンブン振ってはしゃいだ。
「も、もうっ!嬉し過ぎだよ……!悟志さんも、私がこれを好きって知らないのよ?……宝物にする!ありがとう剛さん……!」
剛は、魅惑的に笑った。