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愛しては、ならない
第14章 檻の中の愛
「菊野さ――――」
手を伸ばすが、何も掴めず腕は力なく項垂れた。
気が付けば、カーテンの外はうっすらと白んでいる。
また新しい一日が始まるのだ。
違和感に、毛布を剥いで脚の間に触れると、やはり精が吹き出した後だった。
深い、長い溜め息を吐きながらティッシュで始末する内に、夢の映像が蘇り再びムクムクと獣がたぎる。
「くっ……」
堪らず、右手で握り締め上下に動かし天を仰いだ。
そう、実際に彼女を抱いたのではなく、夢の中で犯した。
彼女への想いを自覚して、無理矢理口付けたあの日以来、毎晩の様にそんな夢を見ていた。