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愛しては、ならない
第14章 檻の中の愛
顎を強引に掴み、口付けようと顔を近付けると、彼女は目を大きく見開いた。
凝視されていると何だか気まずくて、俺は囁いた。
「――目を、瞑って下さい」
「え……えええっ?」
彼女がすっとん狂に叫んだその時、玄関のドアが開き、祐樹の元気な声と足音が聞こえ、弾かれた様に彼女は俺を突き飛ばし、逃げる様に祐樹を出迎えに行ってしまったのだ。
その夜は、悟志は帰って来なかった。
祐樹は夕食の席で
「んも~!
せっかく剛が料理作ってくれたレアな日なのにパパが帰れないなんて残念だね~」
と、シチューを掻き込みながら無邪気に言ったが、菊野は俺と目が合うとまた赤くなって下を向いてしまった。