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愛しては、ならない
第16章 貴方との夜
「全くもう……
菊野――!
あんたって、やる事が何気に予測出来ないわよね……
一人でフラ~ッて何処かへ行っちゃって、私が探しに行ったら流血して道端でベーベー泣いてるんだもの~!
はあ――剛君が丁度通り掛かってくれて良かったわあ……
私、こう見えて血がすっごく苦手なのよ――!
ほら、女は毎月の月経があるから血が平気って言うでしょ~?
でも中には例外の女も居るからねっ!
――あ、剛君には刺激の強い話だったかしら……
まあ、いっか、もう高校生になるし、ね!
……でね、私がなんで血が怖いかって言うとねえ、話せば長くなるんだけどさ~」
真歩は、ハンドルを握り調子良くペラペラと喋っていた。
後部席には、清崎を挟み、私と剛、三人が座っている。
剛と清崎がキスをしている場面に出くわした上に怪我をした私は泣きながら歩道に座り込んでいたが、探しに来た真歩が脚の血を見て絶叫し、その声で剛が私達に気付いて走ってやって来たのだ。