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愛しては、ならない
第3章 ガール・ミーツ・ボーイ
「そうね、上手だったもんね……」
「花野ばーばのピアノも楽しいけど、あのお兄ちゃんのピアノもスゴいよ!
僕、あんな風に弾けるようになりたい!」
祐樹はそう言うと、少しはにかんだ笑顔で私に耳打ちした。
「女の子は……
ママが居るから、いいよ」
「祐樹……!」
私は思い切り抱き締めた。
祐樹は腕の中でコロコロと笑った。
――でも、私はこの時全く何もわかっていなかった。
剛さんの事を。
剛さんが今までどんな風に育ってきたのか……
そして心や身体に傷を作ってきたかという事を……