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愛しては、ならない
第18章 私も、愛しているのに
ピアノの音が聴こえる……
華やかで、愛らしい跳ねる様な旋律に、私は引き寄せられ歩いていた。
ここは、何処だろう。
いつからここにいるのか、歩いているのかわからない。
暗闇の中、小さな明かりが見えて、私はそこへ向かう。
次第に目が慣れてきて、壁に飾られている絵や、本棚などが見えてきた。
絵は、額に飾られた物ではなく、画用紙に描かれ、画鋲で留められている。
よくよく見ると、その絵柄や筆のタッチの感じから、恐らくこどもが描いた物だろうという事が分かる。
私はそれを眺めながら、ピアノの音が鳴る場所を探し向かう。
この曲は、知っている。
母が家で良く弾いていた。
だが、それだけでは無い。
他でも、何処かで、いつか聴いた――