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愛しては、ならない
第4章 ボーイ・ミーツ・ガール
剛が六歳の時、両親は事故で亡くなった。
きょうだいも無く親類も居ない剛は施設に引き取られた。
剛は他の子供と違っていた。
施設で暮らす子供達は皆それぞれ事情を抱えているのだが、剛のケースも、数ある悲惨な事例の中の一つだった。
親が亡くなったり、貧困の為だったり、虐待だったり……
一言では説明しようのない事情を背負ってやって来た子供達。
剛もまた両親からある種の虐待を受けていた。
両親は自分達の都合が優先で、子供に合わせるという事をしなかった。
剛は六歳だったが、幼稚園や保育園にも通わせていなかった。
理由は「親同士の付き合いなんかダルくてやってらんない」
という事だったらしい。