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愛しては、ならない
第18章 私も、愛しているのに
私は、頭を抱えたまま、今夜の出来事を反芻する。
悟志の不在時に、夫婦の寝室のベッドで剛に抱き締められ貫かれる一歩手前まで……
これがどれ程に恐ろしく、罪深い事なのか、私は考えただけでゾクリと震えたが、それ以上に背徳に甘美に酔ってしまいそうになる自分が居る。
――剛さんが……剛さんが、私を……
ずっと、彼を想っていた。
いけない事だと知りながらも、彼の姿を目にしただけで胸が躍り出すのを止められなかった。
実る筈のない、この想いは、一生自分の胸の中に秘めておけば良い。
彼がこの先、幸せになるのを見届けられるなら、それで良い――
そう思っていたのに。