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愛しては、ならない
第18章 私も、愛しているのに



私は、取り乱し、泣きながら彼の胸を叩き、多分酷い言葉を浴びせた。


彼は、傷ついている――?



夢の中の、悲しげな幼い剛の瞳が過り、私は突き動かされるまま、部屋を出て彼の居るであろう二階へ向かった。



思春期の迸る性のエネルギーは凄まじい物だと聞く。

それなのに彼は、はっきり拒否しない私に惑わされ、身体を猛らせながら、泣き出した私を無理矢理抱く事はしなかった。
私は女だから、男性の生理的な事は分からないが、彼は私を大切にしてくれたのだ――



あの時、多分、彼に貫かれても私は拒否出来なかっただろう。

本当は心も身体も、甘く彼を求めて居たのだから。

でも、その一線を越えてしまったら、彼は、私の前から居なくなってしまう。


そんな気がしてならなかった。


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