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愛しては、ならない
第18章 私も、愛しているのに
彼の部屋のドアの前に立ち、私は入って良い物かどうか暫し迷う。
多分、もう眠っている筈だ。
いや、もしも起きていたら――
そしてもし彼が、迫ってきたら私はどうする?
今度こそ、拒否出来ず、彼に抱かれてしまうかもしれない。
身体中に、ゾクリと甘い震えが生まれる。
――いけない。
そんな事、絶対にしてはいけないのに――
私は一体、どうしたいのだろうか。
私は彼の母になりたかったのではなかったのか。
でも一度として、彼を息子などと思った事はない。
しかも、彼の烈しい想いと欲望を、心に、この身体に感じてしまった今は、尚更息子などと思えない。
私は、母親にもなれない。
恋人にもなれない。
私は、彼のどんな存在になら、なれるのだろうか。
彼に、何が出来るの?