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愛しては、ならない
第4章 ボーイ・ミーツ・ガール
剛はいつしか二人の機嫌をそこねなければ、殴られたりしない事を学び、無駄に抵抗するのを止めた。
途端に両親は剛に構うのを一切止めてしまい、ある日何処かへ出掛けたまま、帰らなかった。
しかし、それは良くある事だったので剛は
「またか」
位にしか思っていなかった。
それから何日か経ったある日、ぼんやりとテレビを見ていた剛は、ニュースで自分の両親が事故に巻き込まれて亡くなったのを知る。
何の感情も湧かなかった。
寧ろ、清々した。
剛は幼稚園に通っていなくて教育も受けていなかったが、両親に置き去りにされている間テレビを貪るように見ていた。
ドラマも見たし、ニュースも見た。
自分と同じ様な境遇の子供達が亡くなったり、殺されたりする事例がこの世界で沢山起きている事も、ニュースやワイドショーで見ていた。
両親が自分にする仕打ちが世間で言う
"虐待"
なのも、わかっていた。
そして、"もしも"の事態が起こった時、自分がどう行動すべきかもわかっていた。