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愛しては、ならない
第19章 恋の業火
私は奥歯にギュウと力を入れ、しかめ面のまま階段を降りるが、リビングでソファに突っ伏して溜め息を吐いた。
「はあ……
危なかった……
あんな目で見られたら、私……」
心臓の音がまだ煩く私を責め立てていた。
――お前も彼を好きで、彼もお前を好きだと言っているのだから、思うようにすればいいじゃないか。
何を躊躇う事がある?――
そんな叫びが聞こえてくるような気がする。
「ダメよ!ダメダメ!」
一人首を振り、頭を抱えクッションに顔を埋めたその時、インターホンが鳴った。
「はい……」
ドアを開けて、其処に立つ人物を見て思わず絶句してしまう。
清崎晴香だった。