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愛しては、ならない
第20章 恋の業火②
「ごめんなさいね……
折角来てくれたのに、剛さんが具合が悪くて……
移してしまったら申し訳ないし……
清崎さん、珈琲と紅茶はどちらがお好きかしら?
丁度、シフォンが焼けたの……
レモンシフォンだけど、好きかしら?」
清崎はリビングのソファに腰掛け、笑顔で頷いた。
「ありがとうございます……
じゃあ、紅茶を……」
「はい~!
お待ちくださいね~!」
私は、複雑な気持ちでお茶の支度をし、オーブンから出したシフォンを切り分ける。
"息子の彼女"が訪ねてきたのだから、喜ぶべき事なのだろうけど……
昨日の、ホテルでキスしていた二人の姿が脳裏に蘇り、胸がズキズキ痛んだ。