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愛しては、ならない
第4章 ボーイ・ミーツ・ガール
剛を養子に迎えると決心してから、再度施設を訪れた私は、応接室で園長から剛の生い立ちと引き取られる迄の経緯を聞いて衝撃で言葉を失った。
児童養護施設には、そうした境遇の子供も数多く居る、という事実を知らなかった訳では無い。
だが、こうして実際に話を聞かされるとその事実がとてつもなく生々しく心に突き刺さった。
(……剛という子がここに来たのが六歳……
今の祐樹と変わらない年齢だわ。
幼い時にそんな大変な思いをしたなんて……
同じ目に遇ったのがもし祐樹だったら、と考えただけで耐えられない……)
私の瞳には、いつの間にか涙が浮かんで居た。