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愛しては、ならない
第21章 君の罪は、僕の罪
その晩は、祐樹は泊まりの外出で疲れたのか、夕飯を食べて直ぐ、寝に子供部屋へと行ってしまった。
夕飯のひととき、剛は悟志にいつも通り接している様に見えた。
剛が最近食事を作る機会が多かった為か、二人は料理談義に花を咲かせていた。
悟志も密かに料理を勉強しているらしく、時々本を読んでいるのを見たことがあるが、私には絶対に教えてくれない。
結婚当初は、全く家事が出来なかったのに、私が体調を崩した時に料理をしたのがきっかけで、どうやらその道に目覚めたらしい。
「定年までに免許をゲットしてお店でもやろうかな~」
と、冗談混じりに剛に話しているのを聞きながら私は洗い物をしていたが、手を滑らせコップを割ってしまった。
「――痛っ」
二人が弾かれた様に私の方を振り返る。