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愛しては、ならない
第24章 滅ぼせない恋情③
――剛さんが……
行ってしまった……
私は、失望と安堵と入り雑じった深い溜め息を吐き、再びベッドに横たわり、彼がキスをした唇に触れて瞼を閉じる。
――剛さんが……好き。
そう彼に言ってしまう処だった。
清崎が呼びに来なかったら、私は本当に言ってしまっただろうか……
(でも剛さんは、あの子と付き合っているんだもの……
あんな可愛い子と一緒に居れば、じきに私の事も何も思わなくなるかも知れないじゃない……)
彼に恋をぶつけられ、その悦びとときめきに心を震わせていたのも束の間、私はやるせない感情に囚われる。
(そうよ……
私を好きなら、何故清崎さんと別れないの……?
私を本当に好きなら……)
嫉妬が胸の中でとぐろを巻き、無意識に爪を噛んでいた事に気付き、私は首を振る。
「馬鹿みたい……私。
大体……
剛さんとは、どうにもならない……のに」