この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第24章 滅ぼせない恋情③
暖かい陽射しが部屋のカーテンの隙間から入り込み、光の粒子がキラキラと漂うのをぼんやりと眺めている内に、急に瞼が重くなる。
最近熟睡出来なかったせいか、今日は調子が良くない、というか身体が怠い。
今日の入学式を励みに、気を張って来たというのに式の最中に倒れ、剛の挨拶の邪魔をし、その上恋慕に負けて彼に気持ちを告げてしまいそうになるなんて――
やはり私は、母親失格で、最低な女なんだ……
いや、最初から私は彼の母親になる資格も、彼を幸せにしようと思う資格も無かったんだわ……
不意に涙がじわりと滲むが、同時に欠伸もしてしまう。
ベッドの周りのカーテンが少し開いている。
(閉めよう……)
と思った瞬間、私は再び眠りに落ちた。