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愛しては、ならない
第24章 滅ぼせない恋情③
――ふふ……
嬉しいなあ……
好き、だなんて――
「――!?」
剛とは違う声が頭の中に響き、私は我にかえり目を覚ます。
目の前にある顔に驚愕した私は大声を出しそうになるが、手で口を塞がれてしまった。
「む……む……む!
むむむ、むりむむむん!」
「ハッハッハ……
菊野さん、盛大に寝惚けてましたね?」
私の口を鬱ぎ、ベッドの脇に身を屈めて居るのは、森本だった。
彼は剛と仲が良く、家に遊びに来る事も多かったが、私から見る彼の印象は、
"軽そうな今時のプレイボーイのティーンエイジャー"
だった。
余りにも古い、時代遅れの表現かも知れないが、他に言いようがないから仕方がない。
遊びに来る度に、いつも違う女の子と手を繋いだり肩を抱いたりしながら剛の部屋でゲームをしたり、皆で喋ったりしているのを度々見ているので、正直私は彼を
"苦手なタイプの子"
という目で見ている。