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愛しては、ならない
第24章 滅ぼせない恋情③
私は、短い眠りの中で、夢を見ていた。
やはり保健室のベッドで剛に抱き締められ、愛を囁かれ口付けられている。
先程のやり取りの続きのようで、現実なのか夢か迷ってしまいそうだが、やはりこれは夢だ……
私は、夢である事にホッとしていた。
夢の中なら、本当の事を言っても大丈夫……
と思うからだ。
せめて、夢の中では、彼に素直に好き、と告げたい――
"好き……
剛さんが、好きなの……"
私は、彼の首にしがみつき、言った。
彼は、これ以上ない甘い微笑みで、私を見た。
"菊野さん……
俺も……
好きです……"
"好き……
好き、好き……!"
今まで抑え込んでいた恋心を私は彼にぶつける。
幾度"好き"
と告げても、足りない程に、私の全部が貴方に奪われている――
夢の中で、私は夢中で彼にしがみついた。